◆ 歯の構造を知ろう!

歯は歯茎から上の部分を歯冠部、歯茎のなかに隠れている部分を歯根部といいます。
樹木でいえば歯冠部は幹や枝、歯根部は根の部分になります。
歯冠部の構造は、最表層の目にみえる部分がエナメル質、そのなかが象牙質、そして歯の中心部分が歯髄です。
また歯根部では、表層からセメント質、象牙質、歯髄となります。

前歯である切歯と奥歯である臼歯では形が違うだけで、基本的な構造は同じです。
歯周組織とは歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨のことをいいます。

歯の構造について

●エナメル質
 歯冠部の表面を覆っている、通常目にみえる部分がエナメル質です。
 エナメル質は体のなかで最も硬く水晶とほぼ同じ硬さといわれ、食べ物を噛み砕いても傷が付きづらい組織です。

●象牙質
 象牙質は歯冠部と歯根部の大部分を占め、骨と同じくらいの硬さをした丈夫で緻密な組織です。
 主に歯髄から栄養の供給を受けています。

●セメント質
 セメント質は歯根部の象牙質の表面を覆っている、骨と同じくらいの硬さの薄い組織です。
 比較的弱く傷つきやすいのが特徴で、主に歯根膜から栄養の供給を受けます。

●歯髄
 一般的に「神経」と呼ばれている部分です。
 血管やリンパ管、神経などが集まった組織で、歯に酸素や栄養分を運んだりしています。

●歯根膜
 歯根の周囲を取り巻き歯を支えている組織です。
 食べ物やものを噛むことにより歯から顎に加わる強い力を和らげるクッションのような役割をしています。

●歯槽骨
 歯槽骨の「歯槽」とは、歯を入れ置く槽という意味で、歯根部のまわりを覆って歯を支えています。
 歯周病により破壊されると、歯がグラグラになります。

歯の役割について

俗にヒトでいう前歯の部分から順に、切歯、犬歯、前臼歯、後臼歯と4種類の歯が並んでいます。

切歯:獲物や食べ物を捕らえたり噛むときに使います。
犬歯:大きく長くよく発達している歯で、ものをしっかりとくわえたり食べ物を引き裂くときに使います。
前臼歯・後臼歯:食物をすりつぶす、噛む、砕くといった役割をする歯です。