● 痴呆チェック

シニア犬の体が衰えていくのと同じように、脳にも老化はやってきます。
進行すると、認知機能障害症候群という病気になります。
この病気は、人間でいうアルツハイマー症候群、つまり痴呆症。
物忘れがひどくなったり、方向感覚がつかめなくなったり……
ひどい場合には、悲しいことですがあなたや家族がわからなくなってしまいます。

痴呆症になってしまうと、介護をするのもとても大変。
もし、愛犬に以下のような症状があらわれたら、獣医さんに健康診断をしてもらいましょう。

・睡眠時間がふだんより多くなる(もしくは少なくなる)
・夜中に吠えたり、フラフラと歩き回る
・何もないところを見つめている
・よく知っている場所で迷ったり、出口がわからずに立ち往生する
・狭いところに頭を突っ込む
・食事をあげても、すぐにまた要求する
・トイレ以外の場所で排便する
・名前を呼んでも反応しない
・飼い主や家族のことを忘れてしまう


痴呆症は犬種には関係なくかかるので、ある程度は避けられないものです。
また、慢性的なストレスが発病を早めると言われています。
ですから、ふだんの生活の中で、愛犬にストレスをためないように心がけましょう。
また予防には、適度な緊張を与えることも効果的。
例えば、
・"おすわり"とか"お手"など、子犬の頃にしつけた訓練を続けたり、
・新しく何かを覚えさせたり……、
・愛犬が五感を鈍らせないように、いつも刺激を与えてあげましょう。

【痴呆を知る】
 
ペットの長寿命化に伴い、犬にも痴呆が増えています。一般に13歳ごろから始まり、洋犬より日本犬に多いようです。
典型的な症状として、

●昼夜の逆転
●夜鳴き
●トボトボ歩き
●いくら食べてもやせる
●飼い主の呼びかけに無反応
●前進ばかりで後退できない、などが見られます

特に困るのは夜鳴き。
痴呆犬は室内を徘徊し、障害物に突き当たると立ち往生し、不安にかられて鳴きます。
お風呂のマットをつなぎ合わせて円形サークルを作り、その中に入れておくと、縁に沿って歩き続け、疲れたらそのまま眠るため、鳴き騒ぎを軽減できます。
日中、十分な日光浴をさせ、体内時間を元に戻す努力も。
なお、痴呆の予防や進行の抑制には、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸の摂取が有効です。