【夜鳴き防止】

犬の夜鳴きの場合、鎮静剤や睡眠薬などを欲しがる飼い主がいます。
また飼い主の要望に対し、薬を処方する先生もいます。
投薬はボケそのものを改善するのではなく、「夜鳴き」などの症状を抑制するものです。
しかし薬物の使用が引き金となり、ボケの進行を早め結果的には悪化することがあります。
また関節痛などの痛みに対しても、薬を優先させてしまいがちです。
しかし疼痛部位が冷えないようにしたり、患部を温めたりと、工夫と手当をしてあげれば、さらに痛みが楽になるはずです。

◆ 夜鳴きを防ぐには?

・コミュニケーションの機会を増やす
・寝床は低反発マット
・体が冷えないように暖める
・マッサージを施す
・EPA、DHA、SAMeなどのサプリメントを使う
・早期から老齢管理をしている子に夜鳴きは少ない

夜鳴き=痴呆と思われることも多いが、必ずしもそうではありません。
鳴くという行動には、自分の主張を訴えると言う意味も含まれています。
関節や筋肉などの痛みを訴えているかもしれませんし、体の不調を訴えているかもしれません。
事実、寝床を低反発マットにしたら夜鳴きが減ったことがあります。

高齢になると、腸の運動機能低下、水分不足から便秘になることもあります。
そんなことから、お腹にガスが溜まり腹痛を起こす子もいます。
事実、お腹を手の平で優しくマッサージしたり、便秘に効くツボを刺激したら夜鳴きが減った子もいます。
お腹を触られるのを嫌がる子には、後背部に温タオルや温灸などを当てるのも効果があります。
日頃スキンシップを兼ねてマッサージを施すのも、お勧めです。

シニア犬は体温が低下しやすいので、マッサージは効果的です。
体が冷えると眠りに入りにくくなりますし、眠りも浅くなります。
事実、寝床を温めたら夜鳴きは減ったことがあります。
火事に注意ですが、ハロゲンヒーターを使ったそうです。

寂しいからと、鳴いていることもあるようです。
事実、寝床を玄関から台所に移したら鳴き声が小さくなった子もいます。
ただ、犬のいる場所に様子を見に行くだけでは、ダメなようです。
家族の近くに居ることが必要と思われます。

なぜ夜鳴きをするのか、はっきりとした原因とメカニズムは明らかではないようです。
しかし犬のボケの治療に、魚介類に多い不飽和脂肪酸(かの有名なEPA、DHA)を与えると認知能力も若干高まるのか、夜鳴きが改善されることがあります。

ボケを起こした日本犬系のEPA、DHA量を調べた結果、非ボケの約3分の1程度であった。
また交感神経機能が明らかに低下し、迷走神経機能支配が異常に強くなっていることが判明した。

国土の四方を海に囲まれる日本では、動物性蛋白質を魚介類から摂取してきました。
その日本人と一緒に生活を共にしてきた日本犬は、当然ですが動物性蛋白質は魚介類から摂取してました。
そのため日本犬の脳は、EPAやDHAを活用する脳神経細胞の代謝システムを作り上げてきたのかもしれません。

ところが近年、原料を牛や鶏などの動物性蛋白質としたドッグフードを常食とするようになった為、日本犬に不飽和脂肪酸が欠乏し、老化に伴い脳の代謝性疾患が起こるようになったのかなとも思ったりします。