◆ 病気を治すのに大切なのは!看護で大切なのは!

1番大切なのは、飼い主の愛情
2番目に大切なのは、手間と環境
3番に大切なのは、獣医師の考え方
最後に大切なのは、使用する薬

犬の夜鳴きの場合、鎮静剤や睡眠薬などを欲しがる飼い主がいます。
また飼い主の要望に対し、薬を処方する先生もいます。
投薬はボケそのものを改善するのではなく、「夜鳴き」などの症状を抑制するものです。
しかし薬物の使用が引き金となり、ボケの進行を早め結果的には悪化することがあります。
また関節痛などの痛みに対しても、薬を優先させてしまいがちです。
しかし疼痛部位が冷えないようにしたり、患部を温めたりと、工夫と手当をしてあげれば、さらに痛みが楽になるはずです。

薬が必要な場合も多くあるでしょう。
しかし大切なのは愛情と手間だと思うのです。
飼い主さんに愛情がいっぱいあっても、あとチョットの工夫でもっと楽に暮らせる事もあると思うのです。
今の獣医療では、このシニア犬に対して飼い主さんが家で行える一手間を重要と捉えていない所に遅れがあるようにも思えます。

医療と介護の境目をはっきりさせ、治療で治せるものは治し、介護の必要なケースは適切な介護支援をしてあげる事が必要です。
それを左右するのが、シニア犬に対する獣医師の考え方です。
病気は獣医師が治すものではありません。
獣医師は原因を見つけ、今の状態から改善する方法を考え提案し、犬自身の治癒力を助けるのが役目です。
そして、獣医師の提案を実践するのが家族です!

老化といかに付き合っていくかが、看護や介護の鍵になります。
ゆっくりとしたスピードで老化しても、老化は止まること無く進みます。
病気であっても老化であっても、毎日の生活に不都合の無いように環境を整えてあげることが、とても大切です。
快適な老犬生活を過ごすには、飼い主さんのの熱い愛情と、手当と環境が不可欠だと言う事を知って下さい。
我々獣医師も、シニア犬を家族としている飼い主さん達の熱い愛情に応える事が出来るように、介護・看護管理のノウハウをお伝えして行こうと思っています!