◆ 老化のサイン=そのほかにもいっぱい!

「あっ、眼が変?白い?!」

水晶体は普通は透明ですが、老齢になって濁ってくるのが老齢性白内障です。
この老齢性白内障は老化現象の一つで、水晶体の栄養が悪くなり濁ってくるといわれています。

老齢性白内障は視力障害で、眼が赤くなるとか目やにが出る事はありません。
初期の症状は、水晶体の周辺から混濁が始まるため、飼い主さんは殆ど気がつきません。
混濁の拡がり方と早さ、混濁の強さと、混濁の場所、また左右の眼でもその進み方も様々です。
栄養状態が悪い時、紫外線の強い所で生活している場合は進行が早いといわれています。

混濁が進んでくると、道路の側溝に足を踏み外してみたり、物にぶつかったりという症状が見られます。
その時に「あれっ、うちの仔の眼が見えないの・・変?」と思う飼い主さんもいます。
またある飼い主さんは、まだ眼のことに気付かずに「うちの仔、この頃ドジなのよねぇ〜!」とか。
混濁が水晶体の中央部に進み、瞳孔が外からみて「白く濁って」見えてきてからビックリする方がほとんどです。


「これ、シコリ?」

乳腺腫瘍は、10歳前後のメスのシニア犬に良く見られる腫瘍です。
そのほぼ50%は良性混合乳腺腫などの良性腫瘍、残りの50%は悪性腫瘍です。
悪性腫瘍の場合は、その半数が肺やリンパ節への転移が見られます。
つまり乳腺腫瘍の25%が転移するタイプの悪性腫瘍なのです。
ネコの場合には、そのほとんどが乳腺癌と言う悪性腫瘍となります。

乳腺腫瘍は、乳腺の部分にしこりがあったり皮膚の炎症のように見えます。
また、しこりに潰瘍ができてしまう場合もあります。
しこりには皮膚の下で動くものと、皮膚や筋肉に付いて動かないものがあります。

老齢のワンちゃんやネコちゃんに、このような症状が見られたら早めに検査を行いましょう。
すべてが悪性の腫瘍ではありません。
しかし、早期に発見しないと転移することがあります。
特にネコちゃんの乳腺腫瘍は成長が早く、リンパ節や肺に転移します。

【シニア犬の扱いの考え方】

体に起こった問題を早期に見つけ出し改善し、病気は初期のうちに回避するか、発症を遅らせる努力を行うことが大切です
そして体重とコンディション、QOLを維持していく必要があります
もし病気の場合、その治療の結果として苦しみ、QOLが低下するのであれば、その治療は好ましいものではありません